九州がなぜ好きなのか

私は吸収が好きです。
旅行に行くのにどこに行くのかと考えた時
真っ先に浮かぶのが九州です。
母親が鹿児島県出身なので、実家に帰るときに飛行機や鉄道で鹿児島へ行っていました。
行き先が鹿児島なので飛行機は鹿児島空港、鉄道は西鹿児島駅で降りていたので、他の県は素通りで一度だけ太宰府天満宮に行っただけです。
博多駅で途中下車をするなんてことは考えもしませんでした。
自動車の免許を取って、自動車で鹿児島へ遊びにに行くようになってからは鹿児島県内、宮崎市や日南市に観光に行ったのですが、愛知県から鹿児島県へ行くのにエネルギーを使ってしまって、他の九州内の県のどこにも寄らずに往復していました。
それからも鹿児島へは出かけていくものの鹿児島エリア以外へは出ていくことはありません。
ところがJR九州の列車をきっかけに九州に足繁く通うようになりました。
JR九州
JR九州は、JR東日本やJR東海、JR西日本に比べて売上も利益も少ない!
本州のJRに比べて先行きを不安視されていたJR九州です。
九州で100万人以上の大都市は165万人の福岡市しかありません。
その福岡市を含む福岡県は私鉄の西鉄がライバルで争っていて、せっかくの大都市だと言うのに思うように収益をあげられません。
首都圏の美味しい部分を山手線などで牛耳ってボロ儲けできるJR東日本とは対照的で
他にも九州各都市を結ぶ高速バス路線も西鉄バスとシェアを食い合っていて、この麺でも鉄道事業で売上を上げるのは難しい。
10年前に開通した九州新幹線があると言っても東海道新幹線とは比べるまでもなく、東海道新幹線は化け物です。
それほどの差が、本州JRとJR九州の間にはあるのにどうして、私がJR九州に惹かれるのか!
結論を言うと、水戸岡鋭治さんのデザインした列車に入れ込んでしまったのが原因です。
豪華クルーズトレイン
豪華クルーズトレインと呼ばれる列車は、世界を見ればオリエント急行はじめいくつもありますが、現在日本には3つの列車が豪華クルーズトレインと呼ばれています。
- JR東日本 TRAIN SUITE四季島
- JR西日本 トワイライトエクスプレス瑞風
- JR九州 ななつ星in九州



ですが世界一の称号を得ているのは「ななつ星in九州」だけです。
そんなものをどうやって選んでいるの?
アメリカの著名な旅行雑誌「コンデナスト・トラベラー」の読者投票で選ばれています。
「ななつ星in九州」が成功したのを見て、JR東日本も西日本も「TRAIN SUITE四季島」、「トワイライト瑞風」と豪華クルーズトレインを作ったのでしょう。
個人的な感想ですが、私は「ななつ星in九州」が好きです。
木に囲まれた空間はとても落ち着きを感じさせてくれますし、伝統工芸である大川組子、九州を代表する有田焼の陶磁器である、柿右衛門、今右衛門、源右衛門を洗面鉢やランプシェードに使っています。
「ななつ星」で提供される料理の器にも有田焼の清六窯の白磁の器が採用されています。
列車の随所に九州に関わるものが使われていて、まさに九州を走るために生まれてきた列車です。
どうして私のような一般人がこんな情報を知っているのかといえば、色々な本が出ています。
ほかの豪華クルーズトレインには、こういった紹介してくれる本がないのが残念です。
TRAIN SUITE四季島にもトワイライト瑞風にも紆余曲折の物語があったはずなので、裏話を本で情報発信してくれると良かったのですが残念です。
それにしも「ななつ星」は情報発信してくれて助かります。
ファンはこういう情報好きですから、本当にこれは嬉しいです。
D&S列車
でも、ななつ星に乗れる人なんて一体どういう人なんでしょうか
やっぱり富裕層と呼ばれる人が乗るのでしょうか
ディズニーランドのようにななつ星もリピーターが多いようですが、それだけ人を虜にする魅力がある列車なんですね。
乗った人のブログを見てみるとやっぱりお金を持っていらっしゃる方のようで
私のような庶民とはレベルが違います。
心優しいJR九州は、そんな庶民にも魅力的な列車を走らせてくれています。
JR九州がD&S列車と呼んでいる観光列車がそれですが、よくもこれだけいろいろな個性のある列車を10本も走らせてくて、どれも人気があるのだから恐れ入ります。
- 36ぷらす3
- 或る列車
- かんぱちいちろく
- ゆふいんの森
- かわせみやませみ
- A列車で行こう
- ふたつ星4047
- あそぼーい!
- 海幸山幸
- 指宿のたまて箱
九州が近ければ、すべての列車に乗るのに苦労しないのに私は九州まで行くのに時間がかかるので、なかなか行くことができません。
新幹線や飛行機は九州に行く以外にもよく利用していたのですが、関西からフェリーが出ているのでフェリーも乗るようになってしまいました。
フェリーはとても快適で宿泊費も節約できるので、九州に行くときに利用できる時は、ほぼ必ず利用するようになりました。
こんなにJR九州の列車を吹聴しているのに私が実際に乗ったD&S列車は、36ぷらす3、ゆふいんの森、A列車で行こう、海幸山幸、指宿のたまて箱の計5列車だけです。
なかでも印象深い列車に海幸山幸があります。
海幸山幸
D&S列車はJR九州が観光列車を呼ぶ際に使う名称で、Dはデザイン・Sはストーリーのこと。
D&S列車は、どれも興味深くて驚くのですが海幸山幸にもしっかりとデザインとストーリーは、あります。

最初にこの列車を見たときに目を引くのが外装に使われている木材です。
はじめてみた時は、家の外構で使われているアルミの板に木目調のラッピングをしたものが使われていてリアルに表現されているなと思って触ってビックリ
本物の木を使っているのでビックリしました。
木を外装に使っているなんて、何を考えているの?でした。
風雨にさらされる外装に木を使う鉄道車両なんて初めてみました。
JR九州は内装に木材を使用している車両は珍しくありません。
「ななつ星in九州」を筆頭にD&S列車や特急車両で使用していない車両はない。
普通列車の車両にまで木材を使っている車両もある。
でも外装に木材を使っている列車は「海幸山幸」だけで、実際に木材部分を触るとぬくもりを感じる。
乗車したのが冬だったので、いくら南国宮崎でも気温は20℃を下回ります。
そんな状況でアルミや鋼鉄の鉄道車両に触ろうものなら冷たい!!となるのに冷たくない。
塗装もされていないので、本当にさわり心地は最高です。
この外装に使われている木は宮崎が誇るブランド杉の「飫肥杉」で「海幸山幸」の沿線の地元素材を使用しているのも流石はJR九州と言ったところ。


内装にも飫肥杉がたくさん使われており、鉄道車両とは思えません。


杉板を使っているので、他のD&S列車よりも木目が鮮やかです。
まるでログハウスの別荘に来ているような感覚になるこの空間は癖になるし


なにより海岸線を走るこの景色、たまりません!
また宮崎に行ったときには、是非乗りたい列車です。
おわりに
本来ならば、観光地とは、一般的に、景観が優美であったり、歴史的・文化的な遺産があったり、レクリエーション施設が整備されていたりするなど、観光客を惹きつける魅力を持つ場所のことです。
日本人にとって移動手段の新幹線ですが、外国人にとっては新幹線を観光の来日目的とする人がいるように外国人にとって新幹線にはそれだけの魅力があります。
JR九州のD&S列車をデザインされたのは水戸岡鋭治さんで
水戸岡鋭治さんが手掛けたD&S列車や特急列車は単なる移動手段である鉄道車両を旅の目的のひとつになるような魅力的な空間に昇華させたと言えるでしょう。
水戸岡さんのデザインした列車に乗るためにわざわざ九州を訪れる人も少なくありません。
私もその一人で何度も足を運んでいます。
九州は大阪や名古屋、東京から離れているので、これだけの素晴らしい列車の存在が、まだまだ知名度が低く感じて残念でありません。
もう水戸岡さんがJR九州の列車のデザインをすることは、ないので水戸岡さんがデザインした列車が走り続けている限り、私は九州には通うでしょう。
同じ考えを持つ人が増えてほしいなぁと思います。
水戸岡鋭治さんを知りたいと思われた方は是非!
おしまい