九州に行く理由

目的はJR九州のD&S列車に乗ること
JRは、国鉄の分割民営化により1987年に発足した鉄道事業者
JR北海道・東日本・東海・西日本・四国・九州・貨物があるけれど
私が惹かれたのはJR九州!
規模の大きさで言えば東日本・東海・西日本などのほうが圧倒的で文字通り桁が違います。
東京・名古屋・大阪の大都市圏を保持して、おまけに新幹線なんて高速鉄道というツールまで持っている。
余程血迷ったことをしなければ安心経営で安泰です。
本州以外のJRの経営は大変です。
北海道と九州は札幌市と福岡市という大都市があり、四国にも中都市がいくつかありますが、鉄道を利用する人はそれほど多くない。
その原因は車のほうが便利ということ、張り巡らされた高速道路網もあって、鉄道よりも車のほうが移動は容易です。
JR北海道はJR発足当初、観光列車を走らせたのですが、そんな話は愛知県に住んでいる私の元には届きませんでした。
私の住んでいる地域は愛知県ですからJRのニュースと言えばJR東海のニュースになります。
JR九州の話なんて伝わってきません。
私が初めてJR九州の電車に触れたのは、2001年に長崎旅行に行った際に乗った885系です。
そこからJR九州に興味を持ってしまって調べ始めました



外観はきれいな曲面を持った車体で、カッコいいなと思いました。
それだけだったらそこで終わりだったのでしょうが、車内に入ると今までの鉄道車両とは全く違った空間が広がっていました。
私はその空間に魅入られてしまいました。
日本の鉄道車両は外観は多少違っても内装はみんな一緒だと思ってたものだから座席やデッキがこんなにモダンな車両を私は知りません(他のJR九州車両を除く)
この車両は製造されてから20年以上経った今でもそれは色褪せない。
その日からJR九州のことを調べ始めました。
JR九州の車両が他のJRや私鉄と違って感じるのは、鉄道車両をデザインしている水戸岡鋭治という一人の工業デザイナーの存在がありました。
もう水戸岡鋭治さんの名前は知れ渡っているので知っている人は多いと思いますが、私は比較的早い段階で水戸岡さんの存在を知ることができました。
そうこうしているうちに本が刊行され、水戸岡さんがデザインした九州新幹線が新八代-鹿児島中央間が部分開通してJR九州の注目度は、どんどんと高まっていきました。
元々1992年に787系つばめが運行を走り始めた時からJR九州は注目され始めていたのですが、やはり中央から遠い九州からの情報伝達は時間がかかリハしましたが、いいものは必ず伝わってきます。
2009年に情熱大陸が水戸岡さんを取り上げて放送がありました。
いいものを発信し続けていけばそれを受信する人が現れるということです。
その後もプロフェッショナル仕事の流儀、カンブリア宮殿、新美の巨人たちで水戸岡さんが取り上げられて、いかに水戸岡デザインがすごいかを目の当たりにしました。
他の鉄道会社のデザイナーがここまでテレビで取り上げられたことはないでしょう。
先に書いた「僕はつばめのデザイナー」の他にもたくさんの著書があり、それらも取りこぼすことなく購入しています。
JR九州の在来線特急の新しいデザインは2000年の885系以来ないのですが、2011年までに様々なD&S列車をデザインされ、2013年に「ななつ星in九州」、2015年に「或る列車」2020年に「36ぷらす3」2022年に「ふたつ星4047」とたくさんの車両デザインをされました。
私は愛知県からそれに乗りに出かけます。
さすがの水戸岡さんも齢には勝てず、2023年でJR九州顧問契約が終わってしまったので、今後水戸岡さんがデザインされた新しい車両はJR九州で走ることは、もうありません。
水戸岡さんの最後の商品になるJR北海道の「赤い星」「青い星」ですがJR九州がパートナーではないので随分とお困りのようですが、水戸岡さんならば、やり遂げてしまうでしょう。
日本で一番水戸岡デザイン列車が走るのは九州です。
水戸岡デザインの車両が走る限り、九州に水戸岡さんのデザインされた列車に乗りに行きたいと思っています。
九州には雄大な自然景観、豊かな歴史と文化遺産、日本屈指の温泉天国、個性豊かな食文化と観光資源はたくさんあります。
九州というのは観光資源が多いと言うのに新たに列車に乗るということまでが観光の目的になることなど初めてです。
水戸岡鋭治さんの影響で全国に観光列車は数あれど、水戸岡デザインの列車がたくさんあるのはJR九州のある九州に行くしかない。
だから水戸岡デザインの列車が引退する前に数多く乗りたいと思って九州に通うのです。